MLPP#5に登壇しました

こんにちは、けんご(@N30nnnn)です。

先日、機械学習系の実務運用知見を共有するコミュニティーにて登壇したので、その振り返りを書きます。この年末ギリギリのタイミングで、まさかの1年を振り返るブログではありません。

machine-learning-pitch.connpass.com

Machine Learning Production Pitch

Machine Learning Pitch機械学習に関わる様々なテーマ(設計/品質保証/論文読み会/チームビルディング etc...)の知見を共有するコミュニティーです。今回登壇したMLPPは、その中でホストされている『Machine Learning Production Pitch』の略で、機械学習運用基盤の知見を共有するコミュニティーです。

今回は運用基盤に関する会ですので、他の登壇者の方々も運用基盤のアーキテクチャとその思想や、社内のワークフロー管理ツールの紹介と運用について話されていました。

発表

自分は、近頃自分が開発しているMLの運用基盤についてと、フリーランスが大多数を占めるチームにてML運用基盤を作っていく上で導入してよかった進め方について20分ほどお話ししてきました。

フリーランスは専門領域に対しては高い技術がありますが(あると期待したいが)、非専門領域に対して積極的かどうかは不明で、また強要もしづらいです。その様な状況でML領域とサーバーサイド領域の間でのコミュニケーションコストが負担になることがよくあります。そのため、そこの間に明確にインターフェースを設けることで、最低限必要なコミュニケーションの水準を下げるとスムーズに進みますよ、というお話をしてきました。

結果としてMLエンジニアもフリーランスでお願いできる様な構造になったとも考えています。

speakerdeck.com

ざっくりとした内容はこんな感じです。

  • 最近作っているプロダクトの構成
    • Fargate
    • Kubernetes(EKS)
    • なるべくシンプルな作りにしている
      • ジョインコスト低減
      • 本質的な開発に専念
    • 一方でなるべくモダンにしている
      • 新しい仲間に来てもらうための環境づくり
  • フリーランスが多いプロジェクトの悩み
    • 人材サイクルの速さ
    • 専門領域の違い
    • 残されたMLコード管理
  • 講じた解決策
    • インターフェイスの統一
    • 関心外に関与してもらわなくても良い構造
    • 異なる専門間でのコミュニケーションを削減し負担を減らす
  • 質疑応答

振り返り

久しぶりの登壇でした。

出させて頂いた経緯は、9月頃にABEJAさんに遊びにいった際にKeigo Hattori (@keigohtr) | Twitterさんにお声掛け頂いたところからでした。

その後だいぶテーマについて悩みました。機械学習界隈をある程度ちゃんと見てる人ならMachine Learning Pitchは知っているでしょうから、そのコミュニティーに対してどの様な新しい知識や景色を提供できるのかすごく悩んだ覚えがあります。

今まで参加した会を思い出しながら悩む中で、「モデルの開発からAPI化の開発とデプロイまでやるML人材はまだ少数派(MLPP#4)」という話を思い出したり、自分の個性はフリーランスのMLエンジニアであることを考え、フリーランスとしてMLチームに入った経験・EMとしてフリーランスにお願いする側の経験を経て作ってきたML運用基盤についてをまとめようとの思いに至りました。

また、自分の周りにはフリーランスのMLエンジニアが割といるのですが、世間的にはマイナーな存在の様な気配を感じていたため、その様な存在をアピールすることができたら良いなとの思いもありました。

結果、比較的聞いてもらえたようでとても良かったと思います。質疑応答やTwitter、ブログで意見を頂けると別角度で自分の仕事が見れてとても良い体験にもなりました(ありきたり)。これ、自分だけかわかりませんが、登壇者はTwitterとかブログでの反響めっちゃ見てる。今まで聞く側だった時に垂れ流していたのは無駄じゃなかった。

1回登壇したからと言ってすぐに明確な利益があるわけではありませんが、とても良い刺激を感じています。100人を超えるテック系の登壇は初めてだったため、自分の中の経験値が上がったような気分です。『技術をアウトプットするところに技術は集まる』なんて言葉がありますが、言語化して人に伝えられるくらいに正確な知識をつけるという意味でも続けていけたら良いなと思います。

発表者は随時募集しているようなので、関心がある方は是非!

余談

当日の結構衝撃的だったこととして、発表の冒頭に会場に向けて次の様な簡単なアンケートをとったのですが、

当然挙手していない人もいるでしょうが、会場に100人ちょっといる中で2人というのは、フリーランスのMLエンジニアほんとに存在してないんだな。。。という驚きでした。

余談2

会の終わりに運営・発表者らで行ったワインバー、機械学習界隈の著名人がやってた

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